040915.wed. 東京国立博物館(2)──東洋館
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つづいて,正面向かって左手に見えるのが,谷口吉郎設計の東洋館.谷口さん(父)はホテルオークラのロビーの内装設計や千鳥ヶ淵戦没者墓苑の設計を手掛けた昭和の巨匠です.オリエント伝来の文物を展示するというプログラムのせいでしょうか,外観は町家を思わせる正面窓の縦桟,梁と柱の仕口部の独特の造形など,明らかに日本を意識した造形が特徴.ただ日本狙いの造形としては,スケールアウトしているコトと左右対称の立面構成は,僕にはちょっと理解不能です.もちろん巨匠とあろうお方,なんらかの意図を持ってのコトなんでしょうが.

話少しそれますけど,この東洋館,春先に訪れた時には美意識のカケラも感じさせないミットモナイ看板がけられていたのですが,今回はそれが外されていました.どっかからクレームでも来たのでしょうか? まずはよかったよかった.

話をもどしてと.この建築の一番の真骨頂は,なんといっても展示室の大胆なスキップフロア構成でしょう.スキップフロアとは何モノかと言えば,通常の建築の1階,2階という階の概念がなくて,フロアがさまざまな高さになっているという建築の構成手法の一種です.段々畑のような構成と表現すれば分かりやすいでしょうか……テキストで書いててもワケ分かんないので写真で.こんな感じ.有名ドコロでは数寄屋橋のソニービル(芦原義信設計)に同じ手法が使われています.谷口さん,この手法がお気に入りだったらしく,その後設計した竹橋にある国立近代美術館でも同じ手法を用いていました.東洋館の方がダイナミックな構成でずいぶんとデキはいいのですが…….

建築的には魅力的なこのスキップフロア構成ですが,最近流行りのバリアフリーの観点から見ると問題大アリです.東洋館でもエレベータ増設などで何とか対処しようとしてるようですが,やはり車椅子ではアクセスできない部分が残されています.フロアを順に登っていくという順路を単に逆にするだけでも,ずいぶんラクになる気はしますけどね.それに構造上も若干の問題があるらしく,近代美術館では2001年に行なわれた改修工事の際,吹抜けが埋められてしまい,通常のつまらない空間になってしまいました.いやはや何とも残念なコトです…….東洋館ではそうならないといいんですが.

写真は東洋館のファサード.日本建築のキモは水平垂直を強調した柱と梁の構成にあるので(少なくとも僕はそう考えてます),レタッチソフトでアオリ補正+歪曲収差補正かけてみました.撮った時にちゃんと水平出てなかったので,ごまかすのにずいぶん苦労しましたが…….広角21mm+アオリ補正+自動水平出し機能付き建築写真専用デジカメ,出ないでしょうかねぇ.歪曲収差出るとヤなので単焦点がイイです.出たら買いますよ.絶対出ないでしょうけど.

040912|上野/東京国立博物館東洋館|Ricoh Caplio GX
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by nmurasak | 2004-09-15 11:47 | 建築/都市/デザイン
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