041012.tue. コーポレートフォント
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コーポレートフォントってのがあります.その企業に関連する印刷物や映像媒体,名刺などのノベルティ類などでしか使えないように決められた専用書体で,企業イメージを明確化させるにはかなり効果的なので,最近のブランド・アイデンティティ流行りの中でけっこう見かける手法です.有名ドコロですと,アップルコンピュータのApple Garamond,アドビシステムズのMyriad,IBMのIBM Bodoni,あとロンドンの地下鉄も独特の書体で統一されています.アップルなどApple Garamond書体を使用したユーザーを提訴したなんてハナシも小耳に挟みますから,おそろしやジョブズおじさんです.

こういったコーポレートフォントを持っているのは外資系企業が多いです.日本でもブランド・アイデンティティごっこが流行ってますから,日本企業でもこういった試みがなされてもいいとは思うんですが,残念ながらあまりお目にかかったコトはありません.ま,大文字+小文字+記号類合計で100字少々作れば済む欧文フォントと違って,日本語フォントはフォントパッケージに含まれる字数(グリフ数といいます)が最も少ないAdobe-Japan1-3準拠でも9,354グリフもありますから,オリジナルフォント持つといってもそう簡単には行かないんでしょうけどね.

日本企業ではコーポレートフォントの導入は難しいと書きましたけど,混植する欧文だけならけっこう導入例があります.先に挙げた外資系企業も,日本法人では同様の手法をとっています.例えばAppleならヒラギノ角ゴシックMyriad Pro,アドビなら小塚ゴシックMyriadなんて具合です.自動車系では,日産のフォントはほとんど新ゴAkzidenz Groteskに統一されてます.Akzidenz Groteskは数字の「2」のデザインが独特. Groteskってなんかグロい名前ですが,ドイツではゴシック体(サンセリフ体)をこのように呼ぶようです.僕はグロテスクという名前とモダンな書体の造形がいつも結びつかないんですけどね.

さらに日産ではコーポレートフォントだけではなく,車名バッジのフォントも統一しています.日経デザイン2003年7月号によれば「NE-01」という名前のよう.でもクルマの性格に合わせて車種ごとに少しずつ造形が異なっています.例えば,日産ラインナップの頂点に位置するプレジデントの車名バッジは立派なセリフ(ヒゲ)がついてクラッシックな高級感を表現.その下のフーガはセリフこそないものの,横棒の太さを変化させたり,文字端部に微妙に溜めを作るコトによって高級感を醸し出しています.

一方,先頃デビューしたばかりのティーダなどは,シャープなスタイリングに合わせてしっかりエッジの立ったモダンな造形.ラインナップの末っ子,マーチモコなどは,角を丸く削っているのでフレンドリー感や優しさ,癒しが感じられます.独特なのはキューブ,キューブのエクステリアの造形テーマは「角を丸めたシカク」だそうですが,車名バッジもそのテーマに沿ってNE-01書体をアレンジし直したモノなんだとか.アレンジをいう概念をかなり拡大解釈したらしいですが,まぁ他の車種との統一感は保てているかなぁという気はします.うーん,車名バッジは体をあらわす,ですか.たかが車名バッジ,されど車名バッジです.

コレがNE-01書体.040923|銀座日産ギャラリー|Ricoh Caplio GX
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by nmurasak | 2004-10-12 20:31 | DTP/フォント/マック他
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