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050115.sat. 関西(2)──淡路夢舞台
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関西特集第2回,今回のネタは「淡路夢舞台」,いまや「巨匠」となってしまった安藤忠雄さんの設計.いちおう施設の概略を述べておきますと,この淡路夢舞台は90年の「国際花と緑の博覧会」10周年を記念して開催された「ジャパンフローラ2000」に合わせて設営されたもの.今も博覧会跡地の国営明石海峡公園の中核施設として運営されています.ホテル,国際会議場,植物園を始めとして,百の花壇を雛壇状に並べた「百段苑」,100万枚の帆立貝の殻を敷き詰めた「貝の浜」などで構成される超巨大建築です.

建築というにはいささかスケールアウトした建築ですが,実際すみずみまで歩き回っての印象は,中世イタリアあたりの小都市のイメージがおそらくデザインソースなのかな,と.遺跡といってもいいかもしれない.もちろんコンクリート打放しとダークグレイのスチール,ガラスで構成された空間はいかにも安藤流儀なんですけど,円形や楕円形の広場,鐘楼のような塔(エレベータになってる),必要以上に曲がりくねった通路などがそう思わせるのでしょう.

ただ,残念ながら僕の中で「ガツン!」と来るような魅力はありませんでした.もちろん世間一般の建築の平均レベルは軽くクリアしていて,それなりにハイレベルではあるんですけどね.でも,いくら考えてもなぜ欧州の都市のエレメントがこれほど強調されているのかさっぱりワケ分かりません.今のままだとただ単に都市の表層をつまみ食いしただけで,不可視だけれどもより本質的なものが全く感じられないんですよ.それじゃあ今の景観工学の先生方がおっしゃってるレベルとさして変わらないんじゃないのとか思ってしまいます.フツーの人ならそれでも「ま,いっか.」とかなっちゃんですけど,何と言っても天下の安藤さんの設計ですからね,それ以上のものを期待したくなるというのが人情ってもんじゃあないでしょうか?

050108|淡路夢舞台|Ricoh Caplio GX+DW-4
by nmurasak | 2005-01-15 12:33 | 建築/都市/デザイン
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