040811.wed. 「排除・後退を許すのか」
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いちおう建築屋さんなので,建築のハナシもたまにはしないと…….タイトル,かなりに仰々しいですけど,何モノかと言えば新建築04年7月号の林昌二さんのコラムのタイトルです.林さんといえば,日本を代表する組織設計事務所,日建設計の名誉顧問.現役を引退された今も,日本建築界のご意見番として日々活動されています.

で,林さん,何にお怒りかといえば,3/26の六本木ヒルズでの回転ドア「殺人事件」について.それも加害者にあたる森ビル三和シャッター側の対応についてではなく,その後の回転ドア一斉撤去の動きについでです.回転ドアは撤去するべきではなく,面倒でも原因を究明し,徹底的に改善を工夫し,初期の目的を遂げなければ!と主張されてます.この点に関しては同意!です.

人の生命,財産を守るべき建築は,もちろん高水準の安全性を担保しておくべきモノではありますが,それとて絶対に100%安全!と保証できるわけではありません.ある程度の水準を達成してれば,そこで見切りを付けざるを得ません.ですが,最近の世の中はどうも「超」過保護社会を目指しているようで,このまま行き過ぎるとカンチガイしてくる人が出てくんじゃないかなぁと心配してます.

たとえば国宝,姫路城がバリアフリーになってないからといってエレベータを付けちゃっていいものか? あるいは明治期の近代歴史主義建築群は,耐震性に劣る,現行法規に適合してないからといって,壊してしまってもいいのか? ここに書いたのはあまりにも極端な例ですけど,ちゃんと注意しとかないと,そういうヘンな方向に議論が進んで,豊かさとか伝統,文化のような大事なモノを殺してしまうような気がします.後者の理由なんか,再開発時に歴史的建造物を壊す際の口実としてよく使われますからねぇ.

マスコミは面白おかしく三和シャッターと森ビルをたたくだけで,このコトにはどこも触れてくれません.おそらく視聴者,読者からのネガな反応を気にしてるんでしょう.このコトを書いたときの死んじゃった子供が浮かばれない云々,ヒステリックな筆致の抗議文が目に浮かびますからね.でも世の中,右向け右になったらそれはそれでコワイ.たとえ貧乏クジ,スケープゴートだったとしても,だれか一人くらいはそれを言わなきゃいけないんじゃないかと考えるワケであります.まぁ,林さんは建築界の大ボスだから,少々なに言っても許されるんでしょうけどね.できれば新建築みたいな業界誌?じゃなくて,一般紙上で言って欲しかったなぁ.(つづく)

壁にもたれて,ファインダーつかって手持ち撮影.040727|六本木ヒルズ|Ricoh Caplio GX
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by nmurasak | 2004-08-11 17:29 | 建築/都市/デザイン
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