040812.thu. 建築は前進すべき?
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前回の続きです)でも疑問.「回転ドア」が建築の前進,進歩に値するコトなのかということ.もちろん東京ドームのような空気膜構造建築は回転ドアなくしては成立しませんでした(空気膜構造は内部を加圧して,内外の圧力差によって屋根を支持する構造.通常の扉だと圧力損失が大きすぎて屋根がヘコんでしまいます.).ただ他の一般建築に採用されてる回転ドアは,特にコレでなければという必然性が感じられません.森タワーの場合は空調負荷軽減というのが回転ドア採用の理由らしいですけど,それならガラス面を少しでも減らした方がよほど効果的な気がしますが…….

さらに疑問.果たして建築は前進,進歩すべきモノなんでしょうか? 林さんはパレスサイドビル(1966),ポーラ五反田ビル(1971)と,日本の高度経済成長とともに設計活動をされてきましたから,成長神話を信奉されてるのかもしれません.「進む建築,導く学会」とかね.でもさ,建築ってローテクなもんでしょ.その基本形は紀元前にできてるわけですよ.変わったのは設備とかだけで,根本はほとんど進化してません.それで前進とか進歩とか言ってもねぇ.昔の「狭い日本 そんなに急いで どこに行く」,ユックリズムの提案じゃあないですけどね.これはこれで説教くさいのでヤです.

写真は,林さんの日建設計での最後?の作品「掛川市庁舎」です.内部はこんな感じ.雛壇状の構成がなんとなく京都駅ビルの伊勢丹と似ています.写真で見たときはふ~んくらいにしか思ってなかったんですけど.実際内部にはいってみるとなにげに悪くないかなぁと.フツーの庁舎って内部の構造が分かりにくくて,目的の部署行くのホントに大変なんですけど,5階までの吹抜になってて,非常に分かりやすくていい.やっぱ建築は写真だけで評価しちゃいかんなと再認識です.

でも中がクソ暑いんだよね.ガラスの温室みたいな構造だし,省エネで冷房温度28度に設定されてたからしょうがないんでしょうけどね.吹抜両脇の通路部が庇みたいな役割担わせるコト狙ってるのかも知れませんけど,ガラス面より内側の庇って逆に熱をこもらせるんですよねぇ.最近はビルの窓=嵌殺しってのが定着してしまっていますけど,この建物なんかは吹抜両脇の窓が開いて風がさぁ〜っと吹き抜けていく構造になってたら,もっと気持ちイイと思うんですけど,いかがでしょう?

いちばんワケ分かんないのは,議事場部分の半円形のガラスドーム.シンボリックな造形も,代々木の体育館みたいに,カッコよけりゃそれはそれで良いとは思うんだけど,全然カッコよくないし,オカネかかってそうだし,何かメリットあるんかなぁ? 市民がつかうところじゃなく議事場にシンボリックな造形与えるってのもちょっと.それ以前に,市庁舎に安直なシンボリズムってそもそもいるんでしょうかねぇ? 疑問です.

040723|静岡/掛川|Ricoh Caplio GX
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by nmurasak | 2004-08-12 19:36 | 建築/都市/デザイン
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