カテゴリ:映画(ネタバレ注意)( 7 )
050203.thu. 宋家の三姉妹(the Soong Sister)
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香港名「宋家皇朝」,1997年/香港・日本合作映画,メイベル・チャン監督作品.中国にアジアで初めての共和制国家を誕生させた辛亥革命前後から,第二次国共合作が成立した1937年前後までの中国を,浙江財閥宋家の三人の姉妹を通して描いたドキュメンタリー調ホームドラマ.いちおう上海行く前に中国の近現代史の勉強しといた方が面白いかなと思って見てみました.

この映画見るまでは三女宋美齢の名前をちらっと耳に挟んだことがあるくらいだったんですが,その内実を詳しく知るにつけ,いやはやなんともスゴイ姉妹だなぁと.セレブぶってる叶姉妹なんて目じゃありませんね.長女の靄齢は孔家(孔子の子孫)の御曹司と結婚し中国経済を動かすほどの財閥を築き,次女慶齢は革命家孫文と結婚しその一生を革命に捧げます.慶齢は1949年の中華人民共和国建国後も姉妹でただ一人大陸に留まり,国家副主席の座にまで登り詰めます.三女の美齢はのちに台湾初代総統となる蒋介石と結婚,晩年には「永遠のファーストレディ」と呼ばれるまでになりました.三姉妹それぞれの人生を描くことが,中国の近現代史そのままになってるというワケです.

この映画,いちおう「三姉妹」を銘打っていますけど,スポットは主に次女の慶齢に当てられているようです.映画冒頭で「一人は金を愛し,一人は権力を愛し,一人は国を愛した」というテロップが出てきます.それぞれ靄齢,美齢,慶齢のことを示しているようなのですが,普通なら年齢順にするところですからなんとも妙な感じです.返還前後の香港での製作なので,ひょっとしたら北京政府の検閲でも入ったのかも知れませんね.趙紫陽元総書記の葬儀を報じるNHKの国際放送にも平気でカット入れるお国柄ですから……ね.

映画とはいえ,かなりに史実に基づいたドキュメンタリー調なので,過剰な演出はそれほどありません.第二次国共合作の顛末を描いたシーンなど一部を除き,淡々と物語は進んでいきます.派手な仕掛けがない割には冒頭からなかなかおもしろい.ある程度ハナシが進んでからでないと,その世界に入り込めない映画って結構ありますけど,この映画はそのへんよくできてると感じましたね.中国近現代史のお勉強にはもってこいの映画でした.世界史の教科書もこれっくらい面白いといいんだけど…….

写真は蒋介石・宋美齢夫妻の上海での故居,現在では改装されて「sasha's」というカッコいいレストランになっています.050130|上海/衡山路(Hengshan Road)|Ricoh Caplio GX+DW-4
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by nmurasak | 2005-02-03 20:23 | 映画(ネタバレ注意)
050106.thu. 釣りはいらねえ──ターミナル(またまたネタバレ注意)
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2004年/アメリカ,現在公開中.なかなか感想に困る映画です.どういうことかと言えば,別につまらないわけでも記憶に残らないわけでもないけど,だたこれといって共感するところもない,といったあたりでしょうか? たとえば感動映画であれば,「感動した!」とか「これは胡散臭い,偽善だ!」とか,あるいはつまんない映画であれば,「つまんねえぞ,こんにゃろ! レンタル代返せ!」とか書けるわけです.ところがこの映画,そのどっちでもないんですよ.映画の作り方は全然違うけど,ちょうどフランソワ・オゾン+シャーロット・ランプリングの「まぼろし」を見た時に感想は近いかな.ちょっと前の深夜番組で有賀さつきがこの映画見て泣いてましたが,どこに泣くべきシーンがあるのか僕にはよく分かりませんでしたね.彼女は涙腺弱いんだろうか? 一回病院行った方がいいですね.多分.

あと,途中でトム・ハンクス扮する主人公がスッチー(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)とFall in Loveになるんですが,このスッチー,別の男と結婚してしまいます.僕は何のために彼女が出てきたのか結局よく分かりませんでした.扱いとしては「セカチュー」の柴崎コウみたいなもんでしょうか? 興行収入上げるためにムリヤリ設定されたキャラというか…….まぁ,あまりにストーリーとつながったキャラばっか登場というのも,わざとらしすぎるということはありますが……難しいところです.

この映画はいちおうNYのJFK空港が舞台となっています.もちろんアメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディに由来するものです.このように海外では著名人の名前を冠した地名や施設名が多くなっています.有名どころではパリのシャルル・ド・ゴール空港でしょうか.あと,台北の中正国際空港も中華民国(台湾)の初代総統蒋介石の本名にちなんでいます.日本では境港の「水木しげるロード」か桜新町の「サザエさん通り」くらいしか思い付きませんねぇ…….

JFKのFってフィッツジェラルドだって知ってました? 以上今日のトリビアでした.050106|三重県立美術館|Ricoh Caplio GX+DW-4
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by nmurasak | 2005-01-06 20:21 | 映画(ネタバレ注意)
041226.sun. ハウルの動く城,いちおう見ました
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説明要りませんよね.ご存じ前作「千と千尋の神隠し」で金熊賞受賞の宮崎駿監督が放つ最新作です.この前見てきました.なんだかんだいって最近もそれなりに映画見てます.最近見たのはブラピ主演「セブン」,カンヌ・パルムドール受賞の「戦場のピアニスト」,女殺し屋の悲しい性を描いた「ニキータ」あたり.「ニキータ」はいいですね.同じ女殺し屋の話でも「Kill Bill」よりずっとよかったです.まぁあちらもツボにハマれば面白いんでしょうけど…….

で,本題の「ハウルの動く城」です.いままで代表作「風の谷のナウシカ」を始めとして,「となりのトトロ」「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」「千と千尋……」といくつか宮崎作品見てきましたけど,正直いって少しばかり苦手なモノが多いです.どことなく説教くさいというか,うさんくさいというか…….

もちろん一連の宮崎作品の多くに共通するテーマ,自然を愛する心の大切さとか一人の少女の成長を描くということが決して悪いというわけではないんですが,当たり前の正論をクソマジメな顔して言われると,何となく小恥ずかしい感じがして…….てゆうか好きな人に面と向かって「I Love you !」とかマジメに言えます? それに似てるかも? まぁ,正論に対して素直な反応ができない僕も,ガキが親に言われたことと正反対のことをわざとやるのに似てる気もしないでもない……はい,精神年齢低いです(笑).

そのへん「ハウル……」は原作が宮崎監督でないせいか,うまく説教くささが抑えられていてそれほど違和感を感じさせませんでした.前作「千と千尋……」と違ってコミカルな部分があちこちに散り嵌められていて笑いを誘うのも○.あと18歳の少女と90歳のおばあちゃんを見事に演じ分けている倍賞千恵子の演技(というんだろか?)は要注目でしたし,あちこちで叩かれているハウル役木村拓哉の演技も個人的にはよかったと思います.あのバッシングは人気者ゆえのやっかみなのかな.

……てな話を友達としてたら「オマエ,斜に構えすぎ!」とか言われました.やっぱそうなんだろうか? でも人生そんなもんだよね.

映画カテゴリ,独立させようかと考える今日このごろ.041105|横浜|Ricoh Caplio GX
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by nmurasak | 2004-12-26 15:47 | 映画(ネタバレ注意)
041018.mon. Buongiorno! Principessa!(やっぱりネタバレ注意)
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一昨日,昨日とみずほ銀行のATMが全部止まってました.週末におカネおろし忘れてたんでかなりに困りモード.もう一個の口座の残高は420円だし.振込手数料にもならんわな.分けとくべきでした.てことで今日の本題,「ライフ・イズ・ビューティフル」(1998年/イタリア)です.この映画,イタリア映画なのになぜか邦題は英語のカタカナ表記です.ちなみに本国イタリアでの題名は「La Vita e Bella」.イタリア語のままだと意味分かんないし,日本語で「美しき人生」なんて書いちゃうのもどうかなって気もしますからね,コレでいいのかも知れません.

例によってなんちゃって感想を.前半は主人公グイド(ロベルト・ベニーニ)が美しき奥様をゲットするまでのおハナシ.かなりにハチャメチャなコメディです.今度は何をやらかすんだろって,シーンごとにビクビクしてましたよ.ところで,主演(+監督+脚本)のロベルト・ベニーニと奥様役ニコレッタ・ブラスキは,映画の中だけでなくて実際に夫婦なんだとか.う〜ん,映画の中とはいえ,リアルな嫁サンに向かって「こんちは!お姫サマ!」とはなかなか言えないよなぁ.軽いタッチがイタリアらしいっちゅうか,なんちゅうか…….

後半はユダヤ人強制収容所のおハナシ.前半と打って変わってかなりにシリアスタッチでした.なんか前半部分とのギャップが激しいからか,それとも子供の前で無理に明るく振る舞おうとするグイドが痛々しいからか,シリアスさが強調されてるような印象を受けました.ところどころに散り嵌められているコメディもなんか空虚感アリ(いやイイ意味で……).ひょっとすると前半のコメディも,後半部分をよりいっそう劇的に見せるためのダシなのかも知れないです.あと,子役のジョルジオ・カンタリーニのイノセントな演技(なのか地なのかは不明)もマル.Yahoo! 映画のユーザーレビュー見ると16人全員が5点満点付けてるんですけど,その評価に違わぬデキかなぁと個人的には思いました.でも僕はアマノジャクなんで4.5点です.

ところで,後半部分もけっこうオワリになって,前半コメディでも登場してたドイツ人のお医者サマが再登場するんですけど,このお医者サマ,いったいなんのために再び登場してきたんだろ? まさか「黄色くて醜くてデブで……(以下略,てゆうか忘れた)」っていうなぞなぞの答えをグイドに聞くためじゃあないですよねぇ?? シリアスな後半部分で唯一にして最大のナゾでした.てゆうか腹減りました.さ,おカネおろしに行ってこよ.

メゾン・エルメス.ビルのてっぺんにはエルメスの象徴,馬の像が鎮座ましましています.建築家レンゾ・ピアノの設計ってコトで強引にイタリア絡み.ブランド自体はフランスがお膝元なんですが…….040727|東京/銀座|Ricoh Caplio GX
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by nmurasak | 2004-10-18 07:06 | 映画(ネタバレ注意)
041003.sun. Pirates of Caribbean(若干ネタバレ注意)
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別に一緒に見に行くヒトもいないのに,映画見る機会が最近多いです.しかもヘンな映画ばっかり.最近見たのをちょこっと挙げてみると「ショーシャンクの空に」「the Hole」「Bowling for Columbine」「8 femmes」「KILL BILL Vol.1」あたり.

このうち「ショーシャンクの空に」はハリウッドモノだし比較的分かりやすいおハナシでしたけど(でもイイ映画です),あとはかなりにオツムを使う映画ばかり.このままじゃ人間ひん曲がってしまうので,たまには分かりやすーい勧善懲悪ハッピーエンドの映画をみたいなということで選んでみたのが今回のネタ「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」(2003年/アメリカ)です.いや実は「KILL BILL Vol.1」がその役目果たしてくれるかと期待してたんですけど,見事期待は裏切られましたし…….

ちょこっとあらすじを.舞台は17世紀のカリブ海,メインキャストは大英帝国の港町ポートロイヤルの総督の娘エリザベスと鍛冶職人ウィル,そしてジョニー・デップ扮する海賊船ブラックパールの「元」船長,ジャック・スパロウ.ある日,バルボッサ船長率いる海賊船ブラックパールが町に現われ,エリザベスをさらっていきます.ウィルはエリザベスを助けるべくスパロウと手を組み,バルボッサを追い掛けることになるのですが,そこでブラックパールに潜む恐るべき真実を知ることとなります……てなあたりでしょうか.あとはハリウッドモノなので,結構分かりやすい展開,もちろん予想通りのハッピーエンドでした.おしまい.

この映画,愛とか勇気とか希望とかが前面に出過ぎてて,ちょっと偽善っぽい感じもしましたけど,予想外に当たりでした.登場人物の善悪がはっきりしていて単純なコトは単純なんですけど,なんか良くできてるちゅうか,見たあとに素直に「ええ映画見たなぁ」と言えるような映画でした.昔見た「身代金」とか「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」みたいにただ単に構図が単純なだけじゃツマンナイですからね.でも,最後にエリザベスとウィルは海賊になってくれるモノとばかり信じてたんですが……そこだけは残念でした.

ところで,提督の娘エリザベス役はキーラ・ナイトレイという女優が演じていました.でもこの人「the Hole」では女子高生フランキーの役だったんですね.見てる時から何となくは似てるなぁとは思ってたんですけど,あとでキャストチェックするまで確信が持てませんでした.エレガントなお嬢様役と尻軽の女子高生役,キャラクター設定が違い過ぎたからかも知れませんけど…….ついでだから「the Hole」の感想もちょっと.最近のティーンの考えてることは良く分からん.以上.ゾーラ・バーチの演技は見事でしたが…….

さすがにアクセス解析付けました(怒) 041003|新宿/NTTドコモ代々木ビル|Ricoh Caplio GX
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by nmurasak | 2004-10-03 19:33 | 映画(ネタバレ注意)
040917.fri. Bowling for Columbine+8 femmes
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映画2本見ました.てことでちょっと感想を.つぎは頭の使わないスカッと爽快+勧善懲悪ハリウッド系映画見たいなぁ.映画はあんま見ないので(つうか見に行く相手がいねぇ(泣!)),全然的外れな感想になっちゃうのはカンベンくださいませ.

ボウリング・フォー・コロンバイン
2002年カナダ/アメリカ.物議を醸した映画「華氏911」の監督,マイケル・ムーアによる,アメリカの高校で実際起こった銃の乱射事件を題材にしたドキュメンタリー映画.テレビ東京で放映されるのをjetsさんの9/15のポストで知り,前から興味もあったので見てみました.

内容はウワサに違わずかなりに政治色が濃く,しかも主義主張があまりにも分かり易すぎて,ちょっと引いてしまうところもあったのですが,コメディタッチのところもあって結構笑えました.とくにシュールで自虐的なアニメーションと,銃乱射事件防止のために高校の制服を決めましょうと主張する団体のプロモ映像はオモシロスギ!です.ネタとして見るならば,ですが.

なんで高校の制服を制定することが銃乱射事件防止につながるのかは,かなりに疑問ですが,どうやらシャツを裾出しで着たり太めのパンツはいたりすると,いろいろ銃の隠し場所があって危ないから,キチンとシャツの裾はパンツに入れて着用しましょうとのコトらしいです(苦笑).そんなもんで事件なくなるんなら,警察いらないつーの.アメリカってたまにワケ分かんない主張するヒトいます.ブッシュ大統領とラムズフェルド国防長官がその筆頭格なんですが…….当人はオオマジメにバカらしい主張するから,笑うよりほかありませんね.ヘッヘヘ…….

8人の女たち
2002年フランス.フランス映画界の鬼才,フランソワ・オゾン監督による,異色のサスペンスです.この映画,不倫なんか当然として,近親相姦あり同性愛ありと,日本人(ひょっとして僕だけ?)の持ってる「いかにもフランス観」が,これでもかと言うくらい表現されていて,なかなかおもしろかったです.

軽くはじめの部分だけ.舞台は1950年代のフランス,他は女ばかりの資産家一家で唯一の男性である主人が殺されました.外部との連絡手段が全て断たれてしまっているコトから,容疑者はその場に居合わせた8人の女たちに絞られます.見ドコロは容疑者が絞られてからの,疑心暗鬼と駆け引きの応酬の連続.女の本性が浮き出てくるようで,なんかリアルでした.それにしても女ってコワイなぁ…….顔で笑って心で嘲う.見てくれはキレイでもハラワタは真っ黒だ…….とくにエマニュエル・ベアール

女性の方,すみませんです.040916|田町/NEC本社ビル|Ricoh Caplio GX+DW-4
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by nmurasak | 2004-09-17 09:16 | 映画(ネタバレ注意)
040721.wed. スチームボーイ(若干ネタバレ注意)
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7/17公開,大友克洋監督の最新作「スチームボーイ」見てきました.あんま映画とか見ないんですけど,「AKIRA」がけっこう好きだったんで,どんなモノかと思いつつ.平日だから空いてるかと思いきや,けっこう見てる人いたのでおどろきでした.みんなヒマなんかなぁ.自分のコトはさておき.

で,この作品ですけど,テーマは科学の力の素晴らしさと恐ろしさでしょうか? 大友作品にしては,かなりに分かりやすいおハナシでした.「AKIRA」なんかマンガ版はもちろんのこと,アニメ版でも何言いたいのかよく分かんなかったもんなぁ.そこいらへんのワケ分かんないところが魅力でもあったりするんですが.人がいっぱい死んでく中で(映像では出てないけど,あんだけビル壊してたら人死んでるはずだよなぁ),主人公のじいちゃんの発明したメリーゴーランドとか観覧車が回ってるシーンがシュールで印象的でした.

あと,マンガ版大友作品の,トーンをあんまり使わない粗いタッチが個人的には好きなのですが,アニメになると線が細くなり,色ものっぺりした感じになってしまうのは残念です.あだち充作品とかなら,もともと線が繊細ですっきりしてるから,そんなに気にならないんですけどね.とはいえ,人の動きや表情の作り方はさすがです.

このスチームボーイ,まだウワサの段階ですけど続編が出るとか出ないとか.映画の評価は人それぞれですけど,個人的には「千と千尋……」よりおもしろかったんで,何となく期待してしまいます.上の写真は映画館のポスター.色が地味になってしまいました.映り込みも気になるなぁ.PL欲しい.てゆうか赤いスーツとゴーグルは「AKIRA」の金田と一緒なのね.

公式サイトは↓.040820|沖縄|Ricoh Caplio G4wide
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by nmurasak | 2004-07-21 19:19 | 映画(ネタバレ注意)