カテゴリ:建築/都市/デザイン( 31 )
050207.mon. 都市の模型展 —東京を視る—
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昨日は六本木ヒルズ行ってきました.目的は「都市の模型展 —東京を視る—」いしたにまさきさんのブログで,一昨年開かれた森美術館のこけら落としイベント「世界都市展」で展示されてた「あの」巨大都市模型が帰ってくるというコトを知って見に行ってきました.いや「世界都市展」行けなかったんですよ.いろいろあって……てことでこの度リベンジです.

いちおう建築屋のハシクレとして同時開催の「アーキラボ展」も見てきましたけど,僕は基本的に直交グリッド大好きなモダニズム信奉者なので,なんかな〜という感じ.リべスキンドもザハもアイゼンマンもみんなそうだけど,壁とか屋根とかナナメってるのにイマイチ根拠が感じられないんすよね.展覧会自体はそれなりにヴォリュームあって見ごたえはあったんだけどさ.でもSANAAのトレド美術館ガラスパビリオンの模型が展示してあったから,良しとしますか…….

展示してある巨大模型はウワサに違わずスゴイです.1/1000(実物10mが模型で1cm)スケールで一番大きい模型は1辺10mくらいあります.特に感じ入ったのは造り込みの精緻さ.航空写真やGISから起こしたスタイロのヴォリュームに1軒1軒写真が貼り付けてあります.北新宿の木造密集市街地なんて1軒の大きさが1cm角ないくらい,なのに屋根形状が寄棟か切妻かそれとも陸屋根なのかまできちんと再現してあります.なんとも根気のいる作業,恐れ入ります.

併せて上海とNYの模型も展示してあったんですが,比べてみると一目瞭然,東京は低いんです.なんか全体的にベタ〜としてるというか,コレを見れば「都市は空へ(もっと高いビルをオレに建てさせろ!)」という森ビルの教義もなるほど正しいかなぁと思えてきてしまいます.このサイトなんかもそうですけど,森ビルのプレゼン(布教ともいう……)はホントに巧みです.知らないうちに信者になってしまいそう,パナ○ェーブとかもちょっとは見習った方がよくね?

この展覧会,どうやら入場無料のよう.もちろん「東京シティビュー(森タワー展望台)」か「アーキラボ展」見た人に限りでしょうけど,エレベータ乗る前もチケットとか特にチェックされなかったから,ホントにタダなのかも知れません.ランチ食べるだけで3,000円は下らないというウワサの六本木ヒルズとしては,えらく太っ腹ですなぁ.てことで六本木周辺に足運ばれた際には,ぜひ六本木ヒルズ森タワー50階,森都市未来研究所「都市の模型展 —東京を視る—」展にどうぞ,です.

東京タワー観光写真.東京シティビューより.050206|六本木ヒルズ|Ricoh Caplio GX
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by nmurasak | 2005-02-07 23:59 | 建築/都市/デザイン
050127.thu. 関西(8)──耳で「見る」庭
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関西特集8回目は京都は洛北,高野にある蓮華寺というお寺.先に紹介した大徳寺高桐院と同じく,これまた観光ガイドにはあまり載ってないマイナーなお寺です.この寺の縁起などはこちらなど参照いただくこととして,この寺は寺院としては珍しく入母屋造りの屋根,普通の寺院では見られる屋根の反りもほとんどありません.欄間にも凝った彫り物などはなく,柱もかなりにスレンダー.なんとなく吉田五十八の近代数寄屋を連想させるような建築でした.上品な印象で個人的にはかなり好み.

庭園は書院前の池泉式庭園(江戸時代初期の有名な作庭家,石川丈山の作らしい)と広間前の小さな庭の2か所に設えられています.個人的には後者の方が気に入りました.普通,寺院の庭園の水というと止まっています.しかし,この庭の水は珍しく流れているんですよ.いや「動いている」といった方が適切かも知れません.耳には常にチョロチョロ……という涼しげな音が入ってきます.目で見ずに,耳で「見る」庭とでも表現したらいいでしょうか? まぁ,今回は行ったのがたまたま真冬で,しかも前日に降った雪も残っていましたから,ただ単に寒さ感が助長されるだけだったのですが…….

次回は是非ともこの庭の真価が発揮される真夏,蝉時雨の季節に訪ねたいなぁと思いました.ちなみにすぐ隣にある崇道神社というこじんまりした神社もオススメです.穴場発見という感じで収穫の多い元日の京都でした.

蓮華寺
京都市左京区上高野八幡町1/京都バス上橋バス停・叡山電鉄三宅八幡駅下車/拝観料400円

050101|京都/高野/蓮華寺|Ricoh Caplio GX
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by nmurasak | 2005-01-27 05:44 | 建築/都市/デザイン
050125.tue. 関西(7)──神戸空港なんていらないよ
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大阪に行った時は交通手段に飛行機使いました.実家でANAの株主優待券余ってるってハナシだったんで…….レンゾ・ピアノ設計のターミナルビルが見たくて関空便を選択.泊めてもらった友達の家が尼崎なんで,伊丹の方が圧倒的に便利だったんだけど…….自ら関空便選択しといて言うのもなんですけど,関空ってホントにロケーション悪いですね.なんでこんなところに作ったの?って感じすらします.難波まで出るのに若林広幸デザインの南海特急「ラピート」使ったんですけど,30分という所要時間はともかく,空港アクセスごときに1,250円の出費は痛い.都心からのアクセス,時間的にはそんなに伊丹と変わらないんだけど,金銭的コストが距離感を強めてますね.

実は関西に新空港を建設するとき,今関空のある泉州沖の他にも候補地が7か所ありました.その1つが神戸沖.各候補地のうち一時は最有力候補と目されながら,騒音問題がネックとなり地元神戸市からの反対を受け,あえなく断念,2番手の泉州沖が新空港の建設地になりました.ところがです,いまになって神戸沖の新空港建設候補地と「まさしく」同じ場所に神戸空港が建設されていて,来年2月16日に開港予定となっているんですよねぇ.

個人的には別にあちこちに空港作ってもらうんは構わないのですが(要らんと思うところが大半だけど……自己責任ね.最近ハヤリの),新空港建設当時,神戸沖への建設に反対しておきながら,いまになって全く同じところに空港作ってるのがワケわかりません.しかも国の補助金も建設に一部使われてます.てゆうか国民バカにしてんかよ(怒)って感じ.だいたい話の筋が通ってませんよ.話の筋が通ってないのは僕の書く文章も同じなんですけどね.

まぁ,はじめっから神戸沖や大阪南港あたりに新空港作っときゃ,今の伊丹第二種空港格下げ問題や神戸空港問題もなかったわけで,日本の航空行政の先見性の無さにすべての問題の原因があるのかも知れませんね.とくに南港に作ってれば,USJやWTC,インデックス大阪(国際展示場)との相乗効果も見込めて経営的にももっとうまく行ったと思うんですけど…….シンガポールなんか上手にやってますよ.航空機の低騒音化も当時とくらべればかなり進んでますし,当時ほど問題にならないんじゃないでしょうか?

WB狂ったのでモノクロで.041127|関西国際空港|Ricoh Caplio GX+DW-4
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by nmurasak | 2005-01-25 20:05 | 建築/都市/デザイン
050122.sat. 関西(6)──関西的造形嗜好
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昨年末,大阪に行った時に,梅田駅前にできたばかりの「HERBIS ENT(ハービス・エント)」という再開発ビル見てきました.このHERBIS ENT,同じような再開発ビルでも東京の六本木ヒルズあたりとは,かなり風情が違うなぁと感じました.例えば内装仕上げを見てみると,東京だったらシルバー,ホワイトあたりのクールな装いをしていますが,関西の場合は大抵ブラウン系基調,たまにウォールナットやマホガニーの濃色系木目だったりします.手すりも前者ならガラス支持でシンプル・ミニマルにまとめてしまうところですが,後者では凝った透かし彫りが入っていたりしますし,飾り金具だってシルバーじゃなくてゴールド仕上げ.

この傾向は何も建築に限ったハナシではありません,電車だってそうです.東京代表の東急電車はステンレスの軽快なシルバーボディが特徴.その他の私鉄やJRもギンギラギンの電車が大半です.それに対して,関西の雄,阪急電車はダークレッドの渋いカラーリング.阪急だけでなく阪神近鉄も東京のようなシルバーボディの電車はほとんどありません.銀色してるのは南海電車JRくらいでしょうか?

こうやって見てくと,関西ならではの造形嗜好ってあるのかなぁと思わされてしまいます.一言で言えば軽快・シンプルな東京,重厚・ゴージャスな関西といったところでしょうか.その他にもバブル期に日本中を吹き荒れたポストモダン建築の嵐,そこにも東京 vs 関西の構図が見て取れるような気がしています.関西のポストモダン建築はコッテリしたレトロ系とでもいうべき造形,歴史的建築要素の表層的引用が特徴です.主犯格は高松伸と若林広幸の両名.素材はコンクリート打放しや水磨きの御影石などの視覚的に重めの素材を多用しています.一方,東京のポストモダン建築はといえば,アルミ,ガラス,パンチングメタルなどをコラージュしたデコン系が主流でした.こちらは小宮山昭,鈴木エドワード,北川原温があたりがメイン.ま,デコンといっても建築でいうデコンは哲学や美術と違って,壁を斜めにするだけの単純なものなんですがね.

もちろんすべてがこんな単純な比較で語れるものでもなく,東京でも隈研吾さんのドーリックみたいなヘビィなのもあるんですけどね,時代を問わず軽快な東京に対して重厚な関西,そんなものが全体的な傾向としてあるんじゃあないかと思うわけなんですよ.いかがでしょう?

でもダシは関西のほうがあっさりシンプルです.041129|大阪/梅田|Ricoh Caplio GX+DW-4
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by nmurasak | 2005-01-22 20:21 | 建築/都市/デザイン
050120.thu. 関西(5)──真言宗本福寺水御堂
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3回前のポストで安藤忠雄さんの悪口書いちゃいましたので,今回は「当たり」の安藤建築でも.別に某放送局みたいに政治家からの圧力があったわけではありませんけど……いやホントに良かったんですよ,本福寺水御堂は…….

この本福寺水御堂,水盤の下にメインの祈りの空間を設けるという,淡路夢舞台「海の教会」と似たような構成となっていますが(教会と寺院の本堂という違いはありますけど),こちらの方がずいぶんと洗練されているような印象を受けました.こんな感じ.上の水盤のハスが季節外れだったのは残念でしたが…….ハスの葉で水盤が覆われたら見事だろうなぁ…….

階段を下りて左手に折れると,本尊の安置されている円形の内陣があります.内陣に入るまでの曲線のアプローチの構成はこれぞ安藤建築の真骨頂!と言っても過言ではないほど見事な空間でした.内陣と外陣を隔てる結界に丹塗りの木が使われています.僕の浅薄な知識が間違ってなければ,それまでコンクリート打放しとガラス一辺倒だった安藤さんが,はじめて木という素材を本格的に使ったのがこの建築じゃなかったかな?

内陣の中も荘厳な空間.仏様の背後に大きく開口部が採られています.おそらく仏様の背後から後光が差すという趣向なんでしょうけど,時間帯が悪かったせいかイマイチその真価は伺えませんでした.管理のおばさん(?)のおハナシによれば,春から夏にかけて仏様の背後から光が差すんだそうで,やはりここでも季節外れだったかと,また残念でした.

ホントはアプローチ部,写真撮りたかったんですが,本堂内撮影禁止のため断念.てことで,エントランス前のコンクリート壁の写真です.この建築,建築後15年になろうかというものなのですが,メンテナンスが行き届いているせいか,コンクリートの表面状態が非常に美しかったのも印象的でした.さすがメンテ好きの安藤さんといったところでしょうか?

水平出てませんね……(鬱).050109|淡路島/真言宗本福寺水御堂|Ricoh Caplio GX+DW-4
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by nmurasak | 2005-01-20 06:58 | 建築/都市/デザイン
050116.sun. 関西(3)──僕にとって「ガツン!」と来ないワケ
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昨日は鎌倉の近代美術館でやってる「ジャン・プルーヴェ展」見に行こうと思ってました.雪の予報だったし,白い鎌倉も風情あっていいなぁとか思ってたんですが,結局雪は降らずじまい.てなことで,家にこもって,なんで淡路夢舞台は僕にとって「ガツン!」と来なかったのかいろいろ考えてみました.我ながらムダな一日だなぁ…….

原因1.スケールの問題.数年前,建築本かなにかで,デザインのキモは「トータリティとヴァラエティのバランス」というような記述を目にした覚えがあります.なにやらコムズカシイこと書いてますけど実は単純なおハナシで,あんまりにも各部の造形がてんでばらばらだと全体の一体感が出ない,その一方で統一感ばかり意識しすぎると単調になってしまうということです.言い換えればコントロールし過ぎずコントロールするということ.住宅など小さい建築ならばそんなに難しいことではないのですが,メッセや空港のような巨大建築になると,これがけっこう難しい.

この淡路夢舞台,そういう観点から見るとちょっと単調なんですよ.いささかデザイン・コントロール過剰の感があり.安藤さんもそのことに気付いていたのか,一部無理にヴァラエティを持たせようとしたかのような部分も見受けられます.ただ,同じような印象は槙さんの幕張メッセでも感じたことですから,一人の設計者が巨大建築を設計するときに必ずついて回る問題と言うべきなのかも知れません.

原因2.夢舞台がイマイチ魅力的に感じられないもう一つの原因は,じつは安藤さん自身にもあるのではないかとも思っています.語弊があることを承知で書くならば,安藤さんはすでにネタ切れ,丹下健三や菊竹清訓のように過去の人になってしまったのではないかと…….

おおまかに言って建築家という人種は2種類に分けられます(あくまでも僕の説では).新規性はあまりないけれどもオーソドクスな手法で手堅く質の高い建築を生み出していく建築家(槙文彦,谷口吉生など),そして暴力的ともいえる思想をもって革新的な建築を社会に提示していく建築家(かつての丹下健三,伊東豊雄など).前者の場合は年齢を重ねてもコンスタントに良質の建築を生み出してゆく,むしろかつて手掛けた建築より近年の建築のほうが質が高いことも少なくないのですが,後者の場合,常に革新的な価値を提示し続けなければならない,ネタ切れになると質の低下が特に目につくのではないかと,そう考えているわけです.

で,安藤さんは果たしてどっちの部類に入るのか? 1977年,「住吉の長屋」で建築界に大きな衝撃を与えてメジャーデビューを飾った安藤さんは,個人的には後者の部類に入るんではないかと思ってます.しかも絶頂期はすでに超えているような印象.セビリア万博の日本館以降,エポックメイキングな建築を生み出せているのかといえば,かなり微妙なのではないでしょうか? この淡路夢舞台も過去の手法の焼き直しで生み出された建築のような気がします.安藤さんはこのままで終わるはずがない!と,かつて光の教会で神の降臨を見た人間の一人としては思いたいところではあるのですが…….

丹下さんも昔は素晴らしい建築作ってたんですけどねぇ.030608|文京/聖カテドラルマリア大聖堂|Fujifilm FinePix 6800Z
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by nmurasak | 2005-01-16 09:21 | 建築/都市/デザイン
050115.sat. 関西(2)──淡路夢舞台
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関西特集第2回,今回のネタは「淡路夢舞台」,いまや「巨匠」となってしまった安藤忠雄さんの設計.いちおう施設の概略を述べておきますと,この淡路夢舞台は90年の「国際花と緑の博覧会」10周年を記念して開催された「ジャパンフローラ2000」に合わせて設営されたもの.今も博覧会跡地の国営明石海峡公園の中核施設として運営されています.ホテル,国際会議場,植物園を始めとして,百の花壇を雛壇状に並べた「百段苑」,100万枚の帆立貝の殻を敷き詰めた「貝の浜」などで構成される超巨大建築です.

建築というにはいささかスケールアウトした建築ですが,実際すみずみまで歩き回っての印象は,中世イタリアあたりの小都市のイメージがおそらくデザインソースなのかな,と.遺跡といってもいいかもしれない.もちろんコンクリート打放しとダークグレイのスチール,ガラスで構成された空間はいかにも安藤流儀なんですけど,円形や楕円形の広場,鐘楼のような塔(エレベータになってる),必要以上に曲がりくねった通路などがそう思わせるのでしょう.

ただ,残念ながら僕の中で「ガツン!」と来るような魅力はありませんでした.もちろん世間一般の建築の平均レベルは軽くクリアしていて,それなりにハイレベルではあるんですけどね.でも,いくら考えてもなぜ欧州の都市のエレメントがこれほど強調されているのかさっぱりワケ分かりません.今のままだとただ単に都市の表層をつまみ食いしただけで,不可視だけれどもより本質的なものが全く感じられないんですよ.それじゃあ今の景観工学の先生方がおっしゃってるレベルとさして変わらないんじゃないのとか思ってしまいます.フツーの人ならそれでも「ま,いっか.」とかなっちゃんですけど,何と言っても天下の安藤さんの設計ですからね,それ以上のものを期待したくなるというのが人情ってもんじゃあないでしょうか?

050108|淡路夢舞台|Ricoh Caplio GX+DW-4
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by nmurasak | 2005-01-15 12:33 | 建築/都市/デザイン
050113.thu. しばらく関西特集でも(1)──明石海峡大橋
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さきの三連休,安藤建築巡礼に淡路島までいってまいりました.とは言っても見たのは2つだけなんですけどね.できれば鬼頭梓設計の洲本の図書館も見ておきたかったんですが,時間の都合上割愛.年末には大阪行ったし,正月は京都,てなことでしばらく関西特集でも書いてみようかと…….神戸は行ってないので,三都物語にはならないんですけど.

明石海峡大橋です.瀬戸大橋やレインボーブリッジは何度も行ったことあるんですが,やっぱりそれらとは比べモノにならないくらいスケールがでかい.橋の神戸側に20階建てくらいのマンションがあるんですけど,それが小さく見えてしまうくらいでした.このマンション,おそらく「明石海峡大橋の眺望があなたのものに」みたいなコピーで売ったんでしょうね.

ところでこの橋,アンカレジ(写真手前の大きなコンクリートの塊,これでケーブルを支えています.)がけっこうカッコいい.レインボーブリッジなんかは単なる台形なんですけど,明石では結晶のような多面体構成になっています.なんとなく現代建築家の作品のようでもあります.いいデザイナーでも入ったんでしょうか?

日本の土木デザインって,ヘンに橋脚の角を丸く落とした造形にしてみたり,遠くから橋を見せる場所ないのに,山奥に斜張橋かけてみたりと,なにかチグハグなんですよね.どうも土木屋さんは,「デザインする」ということを「曲面を使ってフレンドリーなカタチにする」と勘違いしてる人が多いようです.曲面のコンクリートなんて何らかの意味がない限り,型枠も作りにくいしコストもかかるし,意味全くないと思うんですけどね.まぁ,建築でも同じように勘違いしてる人,著名建築家(シーザー・ペリとか……)でもいますけど…….

どうも日本の土木建築業界には縦割りが根付いているらしく,「ここまでが建築,ここからが土木」というように,お互いの領域を主張して反目しあっていて,協働作業がなかなかうまくいきません.そういう意味では,篠原修さん(土木)と内藤廣さん(建築)の活動には期待してしまいます.いつか,お互いの得意分野をうまく生かしあえる日が来るといいんですけど…….

反対から撮れば順光だったのに…….050109|明石海峡大橋|Ricoh Caplio GX+DW-4
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by nmurasak | 2005-01-13 17:41 | 建築/都市/デザイン
041229.wed. 西のルイ・ヴィトン
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昨日のポストは銀座のルイ・ヴィトンの写真だったので,今日は大阪は梅田の「LOUIS VUITTON OSAKA HILTON PLAZA」です.大阪駅前に先日オープンしたばかりのヒルトンプラザウエスト内にあります.設計は青木淳事務所に在籍していた乾久美子.これは外装ガラスを支持するためのボルト(これはDPGというんだろか?)なんですが,こんなところにまでヴィトンのモノグラムが刻印されています.いやはやなんともすごいディテールへのこだわりです.

近年,ヴィトンに限らず海外著名高級ブランドが日本各地に路上店を構え,その設計を売れっ子建築家に依頼する事例が増えています.軽く挙げてみますと,昨日挙げた青木淳によるヴィトン各店のほかにも,メゾン・エルメス(レンゾ・ピアノ),クリスチャン・ディオール銀座(乾久美子),LVMHグループ4ブランドが入居するONE表参道(隈研吾),ディオール表参道(妹島和世+西沢立衛/SANAA),プラダ青山(ヘルツォーグ・アンド・ド・ムロン)……と枚挙に暇がありません.いずれの建築もガラスブロック,LED,木製ルーバー,アクリルなどファサード(店舗前面外装)の素材の扱い方が特徴的です.まぁ,内装設計は別会社がやることが多いので,建築家があれこれできるところがファサードしかないからなんでしょうけどね.

ところがこれら売れっ子建築家によるブランドビルに予想だにしない問題が生じてきました.それはなにかと言えば僕ら建築学生の存在.全国各地の建築学生が大挙して見学に押し寄せて,買う気もないのに(てゆうか買えない)店内をぶらぶら歩き回るやらカメラで写真をとるやらで,店側としてはその対応に苦慮しているようです.まるでメッカ巡礼のようです.僕ですか? いや僕は違いますよ.僕は基本的にモヤシなんで女の子連れならともかく,一人で入る勇気なんてありません(笑).店内でカメラ構えるなんてとんでもない.店の外観の写真撮るだけで精一杯です(笑).

で,この問題,前・建築学会長の某教授は「設計が悪いせいだ!」とかおっしゃってましたが,僕は原因は設計にあるんじゃなく売れっ子建築家に設計を依頼したところにあるんじゃないかと思っています.建築学生は基本的にネームバリュー(誰が設計したかというという点)に弱いですからね.建築学生に見学に来られたくないんなら,旬を過ぎた高松伸とかフィリップ・スタルクに頼めばいいだけの話です.きっと誰も見に行かないよ.

建築学生の行動もこれからさらにエスカレートしてくると,そのうち高級レストランのように「当店にふさわしくないお客さまの入店はご遠慮申し上げます」てなサインがエントランスにかかげられる日も遠くないのかも…….ま,建築学生は飽きっぽいので後少しの辛抱だと思いますよ.ヴィトンさん.

うわぁ,指が映り込んでるよ…….041129|大阪/梅田|Ricoh Caplio GX
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by nmurasak | 2004-12-29 23:50 | 建築/都市/デザイン
041016.sat. マンション買えばセレブな生活?
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昨日のポストでISO 50固定,ライティングもバッチリの超どキレイ(© 優香)サンプル写真で,「このカメラ買えばアタシでもこんなキレイな写真が撮れるんだぁ♥」とカンチガイさせる各メーカーの策略,どうにかなんない?みたいな文章書きましたけど,サンプルとユーザーの使用実態がマッチしていないという意味で,週末になると新聞に大量に折り込まれてくるマンションの広告を思い起こさせました.マンション広告ってだいたいモデルルームで撮ったと思われる内観写真が載っているのですが,その写真が生活感なくって,高級シティホテルみたいなんですねぇ.

置いてある家具(あ,ファニチャーって呼ぶんですか,知りませんでした.庶民なもんで……)がなぜかみんな有名デザイナーモノだったりするのはまだまだ序の口レベル.本棚(これはシェルフ? ごめんなさい,英語苦手なんスよ……)に並んでるのがなぜかみんな洋書(笑)だったりします.みんな英語できるのね.優秀なんだ.でもフランス語っぽいタイトルの本もあったよ.へぇトリリンガルなんだ.すごいねぇ…….もちろん洗濯物が干してあったり,流しに洗い物が溜まってるなんてコトはあり得ません.でも洗濯物はみんなクリーニング出すからそれでいいんスよね.食事は3食とも外食で,キッチンはお飾りだし.それでシャワー浴びた後はバスローブ着て,眼下に拡がる夜景をバックに,グラス(マンガだとドンペリだったりする(笑))を傾けながら,キミの瞳に完敗いや乾杯!てなクサいセリフ吐いたりするんスよね…….

……ちょっとネタが過ぎました.もちろん高級マンション住んでるからといって生活が急にハイソになるというワケでもなさそうです.昔,品川のレインボーブリッジが見える高級マンション(昔山口百恵が住んでたらしい)にある友達の家の遊びにいったコトあるんですけど,生活自体はけっこうフツーでした.まぁヤツも着てる服はなにげにプラダだったりするんですが…….汐留の超高層マンションにある友達の家も,立派なソファセットがあるのに,みんなカーペットに直座り.ソファは単なる背もたれでした.やっぱ日本人なのね.冬はこたつにミカンだよね.永年染み付いた生活習慣ってそうカンタンには変わらないようです.

で,ハナシはマンションのモデルルームに戻ります.もちろん,家を買うってのは(フツーのヒトにとっては)一生で一番高い買い物だし,夢があるコト自体は悪いことじゃないとは思うんですが,ただあまりにも実態と乖離してるのはね,どうかと思うんですよ.今の超高層超高級マンションブーム見てると,モデルルームみたいなインテリアの家に住めば,セレブでエレガンティ♥な生活ができるようになるとカンチガイするヒト,未だにいるんですかねぇ.僕はカップラーメン一つ食べるのもはばかられるような,生活感のないトコロで暮らしたいとは思わないけど.オマエには望んでもムリだって? そりゃまあそうだけどさ.

上野池之端にある旧岩崎邸の内装を彩る壁紙,金唐革紙と言うそう.コレは銀色ですが…….詳しくはコチラを.041015|池之端/旧岩崎邸庭園|Ricoh Caplio GX
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by nmurasak | 2004-10-16 19:33 | 建築/都市/デザイン