カテゴリ:建築/都市/デザイン( 31 )
040924.fri. ヨコハマ
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横浜の街ってなんか独特の雰囲気があります.

横浜の街は,もともと元町,伊勢佐木町,桜木町のあたり,だいたいは現在の中区を中心としたエリアから発展してきました.明治5年,日本で一番はじめに鉄道が開通した区間も新橋(汐留)〜横浜(桜木町)間でした.いまでも神奈川県庁舎横浜税関などの近代歴史主義建築群や,キタムラ(カメラじゃなくて鞄店です),ユニオン(高級スーパー),ホテルニューグランドのような老舗が軒を列ねる,歴史を感じさせる一角となっています.

横浜の中心地が現在の横浜駅を中心としたエリアににシフトし出したのは大正4年の横浜駅の移転から.おそらく初代横浜駅(桜木町駅)はやや奥まっていて,交通の便が悪かったためでしょう.その後,第2次大戦を経て,昭和30年代には西口に相鉄ジョイナス高島屋が進出し,横浜の中心地としての地位を確立.さらにはみなとみらい21計画によって,それまで倉庫群が立ち並ぶのみだった東口にも,
そごうマルイが進出してきました.2010年には日産自動車の本社もこちらに移るとか.

横浜のような古い市街地と,新しい市街地が明確に区分された都市は,日本ではあまり見かけません.どちらかと言えば,ヨーロッパの都市に近い構造をしているなぁと,個人的には思っています.ヨーロッパでは,城壁に囲まれ古い建物が密集した旧市街と,現代的なビルと広い街路の新市街に明確に区分された都市構造を持っている街が多い.城壁こそありませんけど,それに似てるなぁと.

NHKのクイズ番組はいつまで男性軍 vs 女性軍の構図を取り続けるんだろうと思った.あと,パパイヤ鈴木とスタパ齋藤は似てるかもと.どっちもどーでもいいことですが.030619|横浜|Fujifilm FinePix 6800Z
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by nmurasak | 2004-09-24 22:08 | 建築/都市/デザイン
040922.wed. なぜか臨海副都心に行ってきました.
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昨日というよりもう一昨日になってしまいましたが,なぜか臨海副都心に行ってきました.ヒマだからドライブ行こうとか友達に誘われたんですが,とくに行くトコも思い当たらず,しょうがないのでメガウェブやらヴィーナスフォートやらぶらぶらしてまいりました.

臨海副都心,青島幸男・前知事による都市博中止の決定から,いったいどうなってしまうんだろうと思っていましたけど,最近ではけっこうビルが立ち並んできて,いちおう都市の様相を呈してきました.なんかすさまじいエネルギーを感じさせます.この調子だとあと10年かからずに,高層ビル群で埋まってしまいそう.「失われた10年」とか行ってましたけど,なんだかんだ言ってても東京は景気いいのかもしれません.

臨海副都心の弱みは交通の便が悪いこと.クルマで行くぶんにはそんな問題ないんですけど,公共機関系は最悪です.臨海副都心へのメインルートは「ゆりかもめ」なんですが,コレがまた混んでるわ,運賃高いわ,時間かかるわの三重苦.昨年開通したりんかい線使えば,空いてるし新宿や渋谷から一本なんですけど,これまたJRとは別会社なので運賃が高い高い.何とかしてほしいもんです.中央線を東京駅から伸ばすとかってダメ?

ところで,ゆりかもめはUの字を描くようにやたらと大回りしてるんですけど,ひょっとして運賃稼ぐためなんでしょうかねぇ.有明まで420円ってそれにしても高すぎるよ.黎デザインによる電車自体はそれなりにカッコいいんだけど,コストのかかる曲面ガラスやプラグインドア使ってたらカッコいいの当たり前だもんなぁ.このへん同じ新交通システムでも,GKによる,広島アストラムラインのほうが一枚上手です.

写真は毛利衛さんが館長やってる日本未来科学館です.設計は何回か出てきてる日建設計だったはず.こういう曲面ウネウネのビルはあんまり好きじゃないんですけど,広角カメラにはうってつけの被写体です.さぁて帰ろっか.

040920|臨海副都心/日本科学未来館|Ricoh Caplio GX+DW-4
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by nmurasak | 2004-09-22 00:07 | 建築/都市/デザイン
040915.wed. 東京国立博物館(2)──東洋館
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つづいて,正面向かって左手に見えるのが,谷口吉郎設計の東洋館.谷口さん(父)はホテルオークラのロビーの内装設計や千鳥ヶ淵戦没者墓苑の設計を手掛けた昭和の巨匠です.オリエント伝来の文物を展示するというプログラムのせいでしょうか,外観は町家を思わせる正面窓の縦桟,梁と柱の仕口部の独特の造形など,明らかに日本を意識した造形が特徴.ただ日本狙いの造形としては,スケールアウトしているコトと左右対称の立面構成は,僕にはちょっと理解不能です.もちろん巨匠とあろうお方,なんらかの意図を持ってのコトなんでしょうが.

話少しそれますけど,この東洋館,春先に訪れた時には美意識のカケラも感じさせないミットモナイ看板がけられていたのですが,今回はそれが外されていました.どっかからクレームでも来たのでしょうか? まずはよかったよかった.

話をもどしてと.この建築の一番の真骨頂は,なんといっても展示室の大胆なスキップフロア構成でしょう.スキップフロアとは何モノかと言えば,通常の建築の1階,2階という階の概念がなくて,フロアがさまざまな高さになっているという建築の構成手法の一種です.段々畑のような構成と表現すれば分かりやすいでしょうか……テキストで書いててもワケ分かんないので写真で.こんな感じ.有名ドコロでは数寄屋橋のソニービル(芦原義信設計)に同じ手法が使われています.谷口さん,この手法がお気に入りだったらしく,その後設計した竹橋にある国立近代美術館でも同じ手法を用いていました.東洋館の方がダイナミックな構成でずいぶんとデキはいいのですが…….

建築的には魅力的なこのスキップフロア構成ですが,最近流行りのバリアフリーの観点から見ると問題大アリです.東洋館でもエレベータ増設などで何とか対処しようとしてるようですが,やはり車椅子ではアクセスできない部分が残されています.フロアを順に登っていくという順路を単に逆にするだけでも,ずいぶんラクになる気はしますけどね.それに構造上も若干の問題があるらしく,近代美術館では2001年に行なわれた改修工事の際,吹抜けが埋められてしまい,通常のつまらない空間になってしまいました.いやはや何とも残念なコトです…….東洋館ではそうならないといいんですが.

写真は東洋館のファサード.日本建築のキモは水平垂直を強調した柱と梁の構成にあるので(少なくとも僕はそう考えてます),レタッチソフトでアオリ補正+歪曲収差補正かけてみました.撮った時にちゃんと水平出てなかったので,ごまかすのにずいぶん苦労しましたが…….広角21mm+アオリ補正+自動水平出し機能付き建築写真専用デジカメ,出ないでしょうかねぇ.歪曲収差出るとヤなので単焦点がイイです.出たら買いますよ.絶対出ないでしょうけど.

040912|上野/東京国立博物館東洋館|Ricoh Caplio GX
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by nmurasak | 2004-09-15 11:47 | 建築/都市/デザイン
040914.tue. 東京国立博物館(1)──まずは本館から
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日曜日に上野にある東京国立博物館行ってきました.ここは学生なら¥130(安すぎ!)で入れるので,年に数回行くのが定番になってます.商業施設と違って一日中だらだらしててもいいのもありがたいところ.さすがは国立博物館.でも今は独立行政法人に変わったんでしたっけ.てことで,今日はいちおう建築案内風に.

まず正面に見えるのが,以前の記事でも載せた第一生命相互館を設計した渡辺仁設計の本館.「木に竹を継ぐような造形」とイマイチ評判の悪い,俗に帝冠様式と呼ばれる様式の範疇に入れられていることが多いです.帝冠様式とは,洋風の壁面に日本風の瓦屋根を載せた和洋折衷の造形様式のコトを指します.ヨーロッパの上に大日本帝国が載っかるということで帝冠様式と呼ばれているわけです.この様式は,帝国主義の広がった戦前,戦中に大流行した様式.評判悪いのは造形のせいだけじゃなくて,歴史的背景もあるのかも知れませんね.

設計者の渡辺仁は戦前の建築家としてはめずらしく,ありとあらゆる様式の建築を手掛けています.さきの第一生命相互館(現・DNタワー21)はドイツ新古典主義の影響を思わせるファサードの列柱が特徴.服部時計店(現・銀座和光)はオーソドックスに歴史主義に則ったもの,今の有楽町マリオンのところにあった日劇は表現派.さらに,品川御殿山ヒルズにある旧・原邦造邸(現・原美術館)は白いモザイクタイル貼りの初期モダニズムお豆腐建築.……さながら戦前建築様式の見本市のようです.テクニシャンと言えばその通りなんですが,ポリシーがないともいえそう.まぁこういうオールマイティ人間のほうが世間では重宝されるわけですが…….

さて国立博物館ですが,金曜日の夜に夜間開館していたり,表慶館でミニコンサートをやったりと,最近いろいろ頑張っているようです.春先に入った時には本館裏手の庭園を公開していました.常設展示のみなら大人でも¥420と結構お手軽なのでお近くの方はぜひ.

040912|上野/東京国立博物館本館|Ricoh Caplio GX
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by nmurasak | 2004-09-14 14:19 | 建築/都市/デザイン
040910.fri. 高倉神社
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大内の宿場町の中央あたりから,左手に折れる道に入って少し歩くと,大内宿の鎮守,高倉神社があります.後白河法皇の第二皇子,高倉宮以仁王を祀った神社です.高校の時,日本史選択だった方は「以仁王の宣旨」という言葉に聞き覚えがあるはず,あの以仁王です.平家に対して兵を挙げたものの,戦いに敗れた高倉宮がここ大内宿まで落ち延びてきたという伝承もあるそう.

この高倉神社ですが,客引きの声と観光客であふれるメインストリートのにぎわいがウソのようにひっそりと静まりかえっていました.地形に合わせたからか,それとも何らかの狙いを持ってのことか,この神社の石段はくねくね折れ曲がっています.それがまた変化に富んだシークエンスを生み出していて,すばらしい雰囲気でした.今回のゼミ旅行で一番よかったのはココかなぁ.

大内宿来ても高倉神社まで行かない人も多いようですが,メインストリートからの距離もたいしたことないですし,決して行ってもソンはないので(てゆうか行かないとソンかも?),大内宿を訪ねられた際はぜひ一度足を運ばれることをオススメします.

さて,ようやくGXが修理から帰ってきました.修理期間中に2度も遠出したので,カメラSCで代機借りときゃよかったかなぁ.いまさらどうこう言ってみてもしょうがないコトですが…….で,帰ってきたGXをいろいろチェックしてみると,どうやら組立時に一部パーツを取り付け忘れているようです.撮影機能そのものにはまったく不具合はないんですが,でもね.ヒマがあったらカメラSC持ってって取り付けてもらお.

一方,レンズマウント部のワイコン取付け時に取り外すプラ製のリングを外したまま修理に出したんですが,こちらは向こうで新しいのを付けてもらったようで,手持ちが3個!になってしまいました.ほしい方いらっしゃいましたらどうぞです.こんなもんほしがる人いないとは思いますが…….

WB曇りに設定したら黄色味が強すぎておかしいので,モノクロにしてみました.モノクロ写真ってムズカシイ.040905|福島/大内宿|Ricoh Caplio G4wide
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by nmurasak | 2004-09-10 16:45 | 建築/都市/デザイン
040909.thu. 大内宿
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ゼミ旅行の2日目には大内宿に行ってきました.茅葺きの民家(実際にはお土産屋なんですが)が軒を並べる,古くからの宿場町です.正式には「おおちしゅく」と読むようですが,最近は「おおうちしゅく」と呼ばれることも多いようです.

少々ウンチクを,大内宿は江戸時代には会津若松と日光今市を結ぶ会津西街道の宿場町のひとつとして栄えていました.ところが明治17年,会津西街道の東に並行して会津三方道路が開通したことに伴い,大内宿は交通のメインルートから外れてしまい,次第に宿場町としての活気を失っていきました.

ところが1980年,この寂れた宿場町に再び転機が訪れます.古い茅葺きの民家が残っていたことが逆に幸いし,全国で16番目の伝統的建造物群保存地区(伝建地区)に指定されたのです.それ以来,大内宿は下郷地区を代表する一大観光スポットになり,今日では多くの観光客でにぎわっています.世の中何がホントにプラスになるかは,実際起こってみないと分かりませんね.まさしく「人生は糾える縄の如し」「人生万事塞翁馬」です.

ウンチクが長くなってしまいました.さてこの大内宿ですが,見事な茅葺きの家並みが続いていてキレイといえばキレイなんですけど,ちょっと生活感が無さ過ぎてテーマパークのようなんですね.どうも日本の町並みは,許せないくらいに無秩序か,潔癖症かと思うくらい整いすぎているか,両極端すぎるようです.個人的にはそこに住んでいる人の暮らしぶりが垣間見えるような,生活感のある町並みが好きなもんで,ちょっと…….

写真は宿場町の入口近くにある高遠ネギソバを食べることのできる三澤屋という店です.高遠ネギソバというのは,ソバに丸々1本ネギが入っており,ハシの代わりに使って食べるというちょっと変わったソバです.けっこうおいしかったんで良かったです.混んでましたけど.

040905|福島/大内宿|Ricoh Caplio G4wide
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by nmurasak | 2004-09-09 17:25 | 建築/都市/デザイン
040905.sun. 岩瀬湯本温泉 檜風呂の宿「分家」
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土日と1泊2日でゼミ合宿(というより遊び?)に行ってきまして,今東京に戻ったところです.行き先は福島と栃木.宿とか見たところはとても良かったんですけど,ゼミ合宿となるとイロイロとありますね.本当にイロイロと…….おきなわばなしが終わったと思ったら,今度は福島.ちょっと遊びすぎですね.オカネが持ちません.

話をモトに戻してと.泊まった宿は白河市からクルマで西に1時間弱のところにある,岩瀬湯本温泉「檜風呂の宿『分家』」という旅館でした.岩瀬湯本温泉は漫画家つげ義春氏がたびたび訪れ,氏のイラストレーションにも描かれている昔ながらの湯治場です.その集落の一角にあるこの旅館は,戊辰戦争後に建てられた築130年,今となってはなかなか見ることのできない見事な茅葺きの温泉旅館となっています.

スリガラスに旅館名と電話番号が刻まれたレトロな玄関の引き戸をあけると,なんとなく懐かしさを感じさせる広い板の間となっています.柱も梁も鈍く黒光りしていて,建築の歴史を感じさせるモノとなっていました.周辺の建物も同じく茅葺きのモノが多い.今回は雨にたたられましたけど,こういう古い集落ではかえってその方が風情があっていいですね.茅葺き屋根は水分を保持しやすいので,雨が上がってもしばらく軒先から雨垂れの音がしていていたり,朝起きると周辺の山々に低い雲がかかっていて,幽玄な雰囲気を醸し出していたり…….ピーカンだと,風情もへったくれもないと言うところでしょうが…….

こういう古民家再生?の旅館,飲食店というのは最近各地で見かけますが,だいたいは飾ってある小物などが凝り過ぎていてやや神経質な印象を受けます.でもこの旅館は,そのへんのあたりがいい具合に気が抜けてて,リラックスして寛げる雰囲気でした.スタッフの方も非常に感じのイイ方ばかりでしたし…….てことでこの旅館,個人的にはかなりにオススメなので,以下住所など紹介しておきます.機会があれば一度いかがでしょうか.

岩瀬湯本温泉「檜風呂の宿『分家』」
〒962-0621 福島県岩瀬郡天栄村岩瀬湯本温泉(白河市/須賀川市より車で約1時間)
tel:0248-84-2314(代)/fax:0248-84-2506
1泊2食付 9,000〜12,000円

客室の窓より.040905|福島/岩瀬湯本温泉|Ricoh Caplio G4wide
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by nmurasak | 2004-09-05 22:52 | 建築/都市/デザイン
040903.fri. おきなわばなし(7)――国際通り
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国際通りは沖縄の県庁所在地,那覇のメインストリート.メインストリートとはいっても土産物屋がメインの一大観光スポットになっています.土産物屋と鉄筋コンクリートの建物が多いせいでしょうか,日本の街というよりも.むしろバンコクのカオサン通りと雰囲気が似てるなぁと感じました.違法コピーソフト販売の露店とかはありませんけど…….

沖縄の建築には独特の部分があります.ほとんどの建物が鉄筋コンクリート造なのがまず独特.このメインストリートでも,本州でよく見かけるガラスのカーテンウォールのビルはほとんど見かけませんでした.台風対策というのはもちろんあるんでしょうが,地元で石灰石が採れるということもあるのでしょう.今回も石灰石採掘場らしい場所を数か所見かけましたし…….

そういえば沖縄初の軌道系交通機関「ゆいレール」の橋脚や桁も,地元で取れる材料を使おうということで,プレキャストコンクリート?製になったそうです.本州なら鉄製となるのがフツ~です.この国際化が声高く叫ばれている今日でも,建築はあいも変わらず土着的なんだなぁと.

1階部がピロティ(壁がなく独立柱だけで支持される吹放しの外部空間のこと)となっている建物が多いこと,南国らしく各戸にはベランダがついているのも独特です.ベランダの手すりも本州のようにアルミ製ではなく,通風を考えてのことか穴空きコンクリートブロックを積み重ねたモノ.補強用鉄筋が入っている気配はありませんから,地震の多い本州だとまずやらないデザインです.沖縄はほとんど地震の心配がない(と思われている)からでしょうか.ここでも改めて建築は土着的なモノだなぁと再認識.

ネットでいろいろ調べてみますと,法規上は沖縄では東京の×0.7の地震力に耐える構造であればいいということになっているようです.1981年の建築基準法改正以前では,×0.7ではなく半分の×0.5で良かったとか.この×0.7という数字は「地域係数」というのですが,もしこれが東京並みの×1.0だったら,不適格になる建物がかなり出てくるのではないかと思います.そういう見方をすれば,法規が都市を創っていくと言っても決して過言ではないのかなぁとも思ったりも.

今回でいちおう「おきなわばなし」は終わり(のつもり)です.まだマトモ目の写真がいくつかあるので,たまにアップすることがあるかも知れません.

国際通りのオウム.040822|那覇/国際通り|Ricoh Caplio G4wide
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by nmurasak | 2004-09-03 18:37 | 建築/都市/デザイン
040829.sun. 「デザイン」というコトバ
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リコーCaplio R1もノミネートされてた「Good Design Presentation 2004」ですけど,一体何モノかと言えば,経済産業省グッドデザイン賞の選定結果が毎年10月に発表されるのに先だって,一般ユーザーにもノミネートされたデザインを幅広く知ってもらおうとの趣旨で,数年前から毎年8月に開催されているものです.

グッドデザイン賞とは「品質の良さ」「使いやすさ」「商品としてのバランスの良さ」が認められたものに与えられる日本で有数のデザイン賞であり,本年で47年目を迎えます.グラフィックデザイナー,亀倉雄策氏による「G」の文字を象ったシンボルマークは目にされたことのある方も多いかと思います.

さて,ここ数年のグッドデザイン賞の流れを見てきて,日本語の「デザイン」というコトバの適用範囲がすいぶんと広がってきたなぁと感じています.今回のGDP展示作品でも,とらやの和菓子!やらIBMのスクリーンセイバーやら,女性用下着やら,こんなモノまでグッドデザイン賞の対象なんかい!とツッコミを入れたくなるようなノミネートデザイン,けっこうありました.

昔は「デザイン」というと,外観の造形,スタイリングの側面のみを指し示すことが大半でした.「デザイン重視で使いにくい云々」言う時の「デザイン」とは,まさしくこの造形面のみを指す言葉でしょう.おそらくデザインという概念が日本に一番最初に導入された時,「意匠」という訳語が充てられたコトが,その原因の一つではないかと個人的には考えていますが…….

ところが,最近の「デザイン」では,造形以外の側面を重視する傾向があるように思われます.グッドデザイン賞でも過去の大賞/金賞審査結果を見た感じでは,プリウスAIBOせんだいメディアテークなど,造形の良否を並んで,企画の斬新さや社会的影響力といったモノもかなりのウエイトを占めるようになってきたようです.

それどころか造形の側面を一切もたない「デザイン」も生まれてきました.たとえば「システムデザイン」とか「ライフスタイルデザイン」「キャリアデザイン」といったものです.このように考えていくと日本語の「デザイン」というコトバが英語の「design」が本来持つ意味に近くなってきたと言えるのかも知れません.excite英和辞書によれば,「design」とはすなわち【1】設計,デザイン【2】図案,下絵,素描,設計図,模様,ひな型【3】計画,目的,意図【4】陰謀,たくらみ,下心,とあります.いままでの「デザイン」は【1】【2】の意味しか持たなかったのですが,最近は【3】の意味がクローズアップされてきたというコトです.さすがに【4】の意味はないでしょうけど…….

コレを突き詰めて考えてくと,人間が創造したモノで「デザイン」の概念に含まれないものってあるのかなぁという気もしないではないですが…….

写真はオキナワに戻ります.こんな感じで撮っときゃ良かった.
040821|沖縄/読谷|Ricoh Caplio G4wide
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by nmurasak | 2004-08-29 14:12 | 建築/都市/デザイン
040812.thu. 建築は前進すべき?
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前回の続きです)でも疑問.「回転ドア」が建築の前進,進歩に値するコトなのかということ.もちろん東京ドームのような空気膜構造建築は回転ドアなくしては成立しませんでした(空気膜構造は内部を加圧して,内外の圧力差によって屋根を支持する構造.通常の扉だと圧力損失が大きすぎて屋根がヘコんでしまいます.).ただ他の一般建築に採用されてる回転ドアは,特にコレでなければという必然性が感じられません.森タワーの場合は空調負荷軽減というのが回転ドア採用の理由らしいですけど,それならガラス面を少しでも減らした方がよほど効果的な気がしますが…….

さらに疑問.果たして建築は前進,進歩すべきモノなんでしょうか? 林さんはパレスサイドビル(1966),ポーラ五反田ビル(1971)と,日本の高度経済成長とともに設計活動をされてきましたから,成長神話を信奉されてるのかもしれません.「進む建築,導く学会」とかね.でもさ,建築ってローテクなもんでしょ.その基本形は紀元前にできてるわけですよ.変わったのは設備とかだけで,根本はほとんど進化してません.それで前進とか進歩とか言ってもねぇ.昔の「狭い日本 そんなに急いで どこに行く」,ユックリズムの提案じゃあないですけどね.これはこれで説教くさいのでヤです.

写真は,林さんの日建設計での最後?の作品「掛川市庁舎」です.内部はこんな感じ.雛壇状の構成がなんとなく京都駅ビルの伊勢丹と似ています.写真で見たときはふ~んくらいにしか思ってなかったんですけど.実際内部にはいってみるとなにげに悪くないかなぁと.フツーの庁舎って内部の構造が分かりにくくて,目的の部署行くのホントに大変なんですけど,5階までの吹抜になってて,非常に分かりやすくていい.やっぱ建築は写真だけで評価しちゃいかんなと再認識です.

でも中がクソ暑いんだよね.ガラスの温室みたいな構造だし,省エネで冷房温度28度に設定されてたからしょうがないんでしょうけどね.吹抜両脇の通路部が庇みたいな役割担わせるコト狙ってるのかも知れませんけど,ガラス面より内側の庇って逆に熱をこもらせるんですよねぇ.最近はビルの窓=嵌殺しってのが定着してしまっていますけど,この建物なんかは吹抜両脇の窓が開いて風がさぁ〜っと吹き抜けていく構造になってたら,もっと気持ちイイと思うんですけど,いかがでしょう?

いちばんワケ分かんないのは,議事場部分の半円形のガラスドーム.シンボリックな造形も,代々木の体育館みたいに,カッコよけりゃそれはそれで良いとは思うんだけど,全然カッコよくないし,オカネかかってそうだし,何かメリットあるんかなぁ? 市民がつかうところじゃなく議事場にシンボリックな造形与えるってのもちょっと.それ以前に,市庁舎に安直なシンボリズムってそもそもいるんでしょうかねぇ? 疑問です.

040723|静岡/掛川|Ricoh Caplio GX
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by nmurasak | 2004-08-12 19:36 | 建築/都市/デザイン